●カヴァルの吹き方:第二回「音の出し方」●
 今回は音の出し方を学びましょう。と、さらっと言いますが、実にイライラする、根気のいる練習です。しかし、ここでめげては表現力あふれる素晴らしいカヴァルの世界に踏み込めない!ここはひとつ「音が出たらラッキー」ぐらいの気楽さで、脱力して取り組みましょう。一瞬音が出ても、何で出たのかさっぱりわからず、また出なくなるなんてことも、初めは良くあります。毎日ちょっとづつ吹いて、音が出たら今日はラッキー!という程度に構えてください。ここで「下手かも」「才能ないかも」と考え始めると、気が変になります。絶対にやめましょう。

 さて、ではやってみますか!まずはカヴァルの、吹き口のあるパーツだけ手にとってください。次に唇を、口笛を吹く程度に軽くすぼめます。そのままカヴァルの吹き口を、若干斜め横にした状態で唇に当てます。この際、吹き口の内側の壁が、唇のちょうど中央になっていることが重要です。吹きこんだ息が、内側の壁を中心に左右均等に分かれる感じをイメージしてください。外側の壁は、空気が漏れないように口角を使ってふさいでください。

写真左:口の形、当て方の参考
写真右:だめな一例

 斜めにする方向はどちらでも良いですが、その後指穴を押さえる際に、どちらの手が上になるかが、これによって変わってきます。私の場合は、自分から見て「軽く右斜め」で、この場合「左手が上、右手が下」になります。おそらく右利きの人、西洋の管楽器経験者の大半は、こちらの方がやりやすいでしょう。ブルガリアやトルコ、アラブ諸国などの同系統の楽器では、逆に構える人も多いです。トルコのネイという笛の場合、いわば禅宗における尺八のように「法器」としての性格があるので、特にその傾向が強いです。曰く「右手が心臓の上を通るので、精神が…云々」という具合に。一方別の偉い先生曰く「持ちやすい方でいいんじゃない?」とも。

 ちょっと脱線しました。まだ構えてますか?では、そのまま息をまっすぐ、軽く出してみてください。…鳴りましたか?たぶん初めは鳴りませんよね。その場合、以下の点を色々試してみてください。

  • 口のすぼめ具合(息の太さ)を色々変えてみる
  • 唇に当てる位置を微妙に変えてみる(あくまで真ん中を意識)
  • 息の強さが軽過ぎるor強過ぎる(リコーダー程度の力で充分鳴ります)
  • カヴァルを斜めにし過ぎて横になっているor真っ直ぐだ
  • カヴァルの上下方向が斜めになっている(上下方向は唇に対して水平です)
  • 吹き口に唇を押し付け過ぎだor押し付けなさ過ぎだ
  • 唇をとがらしている(基本的にとがりません)
  • 唇が横に伸びている(フルートや尺八経験者は要注意)
  • ちょっとだけ唇の右側に力を入れて形状を安定させる(入れ過ぎに注意)
 上記をヒントに、疲れない程度に毎日ちょっとづつやってみてください。あ、たまには気分を変えて、接続部から吹いてみるのも一興ですよ。こんなどう見ても鳴りそうにない「本当にただの筒」でも鳴らせるようになるのが、面白いところです。スカスカ鳴る中にちょっとでも音程感を感じたらしめたもの!あとちょっとで出るはずです。

 音が出たら、おめでとう!早速(4)楽器の構えてみよう(近日公開)の章に進んでください。また、かなり練習を重ねた後でも、口の形や音の出し方について再び悩む場面が必ず訪れます。その時のために、もう少し突っ込んだ内容を次の章(近日公開)に書きますので、困ったときの参考にしてください。

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